スーパーカブ(JA44)の純正のカムチェーンテンショナーから強化されたカムテンショナーに交換するため、L.クランクケースを分解して交換した時の私の作業の様子を紹介いたします。
今回はスーパーカブ110(JA44)のフライホイールの取り外しまでの『前編』記事です。
『後編』ではカムテンショナーと同時にクランクシャフトサポートアダプターもついでに取り付けた時の様子を記載しています。
取り付けパーツの紹介

TAKEGAWA スーパーカムテンショナー
スーパーカブ110(JA44)のエンジンをレッドゾーン付近の超高回転でもカムチェーンへのテンションがしっかり掛かってくれる事が期待できるTAKEGAWAこと(スペシャルパーツ武川)の
スーパーカムテンショナーです。

TAKEGAWA スーパーカムテンショナーの箱の中には以下の物が入っていました
- アーム COMP.
- カムチェーンテンショナーローラー
- ワッシャ 8.5×22×2.2
- 取り付け方が詳しく記載された取扱説明書
JA44のエンジンはカムテンショナーまで分解する際にL.クランクケースを取り外す必要があるので
新品のL.クランクケースのガスケットが別途必要になります。
純正ガスケットはお近くのホンダドリームやネット通販などでも注文できるかと思います。

スーパーカムテンショナーと同時にTAKEGAWAのクランクシャフトサポートアダプターも取り付ける事にしました。


何故かと言いますと L.クランクケースのガスケットが付属しており、分解ついでに取り付けたかったからです!
今回は、フライホイールの取り外しまでの記事です。
スーパーカムテンショナーとクランクシャフトサポートアダプターの取り付けの記事は
『後編』に記載しております。
フライホイールの取り外しに必要な工具

フライホイールを外す際にはボックスレンチなどの通常の工具の他に専用の工具も必要になります。
逆に取り付ける際はトルクレンチが必要な個所が多数あります。

ユニバーサルプーリーホルダー(ローターホルダー)というバイク用の汎用特殊工具で、カブやモンキー系のフライホイールだけでなく、Dioといったスクーターのプーリーなどを脱着するための工具です。
締め付けてホールドする工具で、構造が比較的シンプルなのでDIYで自作される方もいるようです。

キタコ(KITACO) フライホイールプーラー【674-0500130】です。
こちらの工具はスーパーカブ110【JA44】でも使える純正フライホイールを取り外す際に必要な
適合する車種限定の専用工具です!
※適合車種があるので、カブ系エンジンならどのモデルでも使用できる物ではありません!
もし購入される際は適用車種をよくご確認ください。
フライホイール取り外し作業
※作業前に※
この記事は素人がDIYでパーツの取り付けを行った時の作業の様子を記載していますので、間違っている部分などがあるかもしれません。
エンジンは非常に重要な部分になりますので、誤った方法で作業するとエンジンブローや予期せぬトラブルなどが発生する恐れがありますので、この記事を参考にされる際には自己責任でお願いします。
また、取り付けに少しでも不安がございましたらお近くのバイク屋さんやプロショップなどにご相談下さい。

それでは作業を行っていきます。
まずは、レッグシールドが作業の妨げになるのであらかじめ取り外しておきました。
エンジンオイルも抜きます。
↓オイル交換の記事でオイルの抜き方なども紹介しています↓

ギアシフトペダルも取り外しますが、ボルト一本で止まっていますが、引き抜く時に手で微振動を与えながら引き抜くと取りやすいかも?
ちょっとコツがいります💦

L. クランクケースリアカバーも2本のボルトを外して取り外しました。

大きなL. クランクケースカバーの周りに付いている8本のボルトを緩めていきます。

8本のボルトを取り外しました✨
無くさないように保管しておきます。

ボルトは全て外しましたが、カバーがなぜか外れません!
なぜなら磁石の磁力でカバー引っ張られているからでした💦
L. クランクケースカバーを少し強めに引っ張るとバカっと取りはずす事ができます♪
※手をぶつけて怪我しないようにお気を付けください!


赤丸の所にノックピンが2本あります。
これはただ刺さっているだけなので、下手に動かすとポロっと取れて無くしてしまうかもしれないので、安全な所に保管しておきます。

ちなみにガスケットは御覧の通りバキバキになってしまいました💦
流石にこれでは再使用不可なので新品交換必須です!

フライホイールを外す際にこの矢印のスターターリダクションギアが邪魔なので取り外します。
どうやって外すかと言いますと…

シャフト部分を手でつまみ、力もほぼ入れる事なく引き抜けました!
ここは超簡単です♪

付いていたのはスターターリダクションギアとシャフトの2つでした。
これも無くさないように置いておきます。

これでフリーになりました!

ユニバーサルプーリーホルダー(ローターホルダー)を使用し、
フライホイールが動かないように締め付けて固定します。

赤矢印のフライホイールナットとワッシャを取り外します。

フライホイールが勝手に回らないようユニバーサルプーリーホルダー(ローターホルダー)のハンドルを保持しつつ外していきます。

なんとか取り外しできました♪
ちょっと硬かったです。
次はいよいよ難関のフライホイールを外します。
取り外しに一番苦戦した所

フライホイールプーラーでフライホイールを引き抜いていきます!
(この時はまだ簡単に取れるだろうと楽観的に思っていましたが…)

飛び出ている六角の部分を回せばフライホイールが押し出されて浮き上がるという仕組みになっているので、早速回していきます!

ここでまさかの想定外の事態が発生!
硬い!超硬い!
手持ちの工具の中で一番トルクが掛かると思っていた全長240mmの17mmのメガネレンチで挑戦しても回る気がしない…。
全く歯が立たない!
他の工具でも試してみましたが回すのは無理かもしれない…💦
このままでは日が落ちてもらちが明かないという事で一旦諦めます。
分解途中でしたが、エンジンにビニール袋を被せて大きめのホームセンターに急遽買い出しに!

生半可なトルクではビクともしない。
何か良さそうなアイテムは無いだろうか…?
ホームセンターの工具売り場でとにかく丈夫で大きなトルクをかけられそうな工具を探し回っていたら発見しました!
KTC(京都機械工具)のBS3Lという全長400mmの9.5sq.ロングスピンナハンドルという工具が!
急遽今回はこれをチョイスしました。
高品質なKTCともいう事で少し良いお値段がしましたが、長い目で見れば今回以外でもまた必要な時がやってくるかもしれないので工具は良い物を選んでおくに越したことは有りません!

これでもダメだったら本当に詰みかも…。
17mmのソケットを装着し、渾身の力を込めて回すと…
ゴンッ!という音が!
音と同時に私の身体も力が余ってふらついていまいました。
「うわ~!やってしまったか!?💦」
ネジ山を舐めた時の様な嫌なトルクの抜け方だったので、恐る恐る状況を確認してみると…

!?
回る、回るぞ!
フライホイールプーラーが手でも回せるくらいまで一気に緩みました!
フライホイールも動くようなったので、これで引き抜けます。

フライホイールを取り外しました。
ここまでくれば後はこの大きなギアを手で引き抜けば…。

大きなギアを取り外すとカムテンショナーを直接見る事ができます!
今回の記事はここまでです。
フライホイールの取り外し完了
フライホイールプーラーでのフライホイールの取り外しに大苦戦しましたが、工業製品には製造中の公差や組付けの個体差が微少ながらありますので、すんなり取り外せたならラッキーです!✨
『前編』記事はここまです。
この続きは『後編』記事に記載しております。