スーパーカブ110(JA44)強化カムチェーンテンショナー取り付け!の『後編』記事です。
フライホイールの取り外しまでの記事は『前編』に記載してあります。
※記事内で重要と思われる個所のトルク値は取り扱い説明書を参考に記載しております。
正しい締め付けトルク値はサービスマニュアルや取扱説明書でご確認ください。
純正カムチェーンテンショナーの取り外し
今回は、『前編』のフライホイールの取り外し後の続きになります。
矢印の所にカムチェーンテンショナーにテンションを伝達するプッシュロッドがあり、
これを外します!
詳しい取り外し方法などはプッシュロッドのゴム交換の記事に記載しております。
ちなみに!
プッシュロッドヘッドというゴム系のパーツが過度に摩耗しているとエンジンの異音の発生源になっている場合が有りますので、交換するともしかしたら静かになるかもしれません!
チッチッチッチ音と言ったようなやや高めの打撃音がしているのなら、カムシャフトとロッカーアームの隙間のタペットクリアランスが広がっている音かもしれませんので、タペット調整をすると改善する場合もあります。
プッシュロッドヘッドの交換自体はエンジンを組み直した後からでも割と簡単に交換できるので、
オイル交換時のついでに交換するのがオススメです♪
プッシュロッドを取り外すとこのような部品が外れてきまので、無くさない様に安全な所に置いておきます。
赤〇のフランジボルトを緩めればテンショナーが外れます。
純正カムチェーンテンショナーを取り外せました!
写真ではまだ軸の部分にカラーが入っていますので、これを抜き取ります。
純正テンショナーと比較
TAKEGAWAのスーパーカムチェーンテンショナーと純正カムチェーンテンショナーを並べてみました!
赤〇のパーツは先ほど取り外したフランジボルトとカラーです。
純正のカムチェーンテンショナーローラーは丸い円盤状の形になっています。
TAKEGAWAの方にはスプロケット形状になったカムチェーンテンショナーローラーがついていました。
カムチェーンの間に入り込むような形になっているので、追従性がよさそうですね♪
カムチェーンテンショナー本体をそれぞれ並べてみました。
上が純正、下がTAKEGAWA
プッシュロッドヘッドに接触する部分を見てみると、接触面積がTAKEGAWA製の方が広くなっているので、プッシュロッドヘッドの消耗が抑えれそうです。
あと、TAKEGAWA製のテンショナーは強度が高い超々ジュラルミンで作られており手に持ってみると純正よりも重量が軽い感じがしました。
スーパーカムチェーンテンショナーの取り付け
取付に関しましては、各部とも取り外した逆手順で組み上げていきます。
規定トルクで締め付けが必要な個所が多数ありますので、トルクレンチが必要になってきます。
純正テンショナーで使っていたフランジボルトとカラーをTAKEGAWAのテンショナーに組み込み、取り外した逆手順で取り付けます。
フランジボルトの取り付けトルクは16N·mとなっておりました。
正しいトルクをかけるにはトルクレンチが必要です。
カムチェーンテンショナーローラーの様子を見てみました。
少し押さえてみるとピッタリとカムチェーンにフィットしています!
やはり追従性よさそうですね♪
プッシュロッドもオイルをたっぷり塗って元にもどしました!
それぞれ他のパーツにもオイルをよく塗って元に戻します。
クランクシャフトサポートアダプター
※同時に付けてみた部品の取り付けになります。
クランクシャフトサポートアダプターを取り付けない場合は ガスケットを新品に交換 までスキップできます。
今回、同時に取り付けるTAKEGAWA(スペシャルパーツ武川)のクランクシャフトサポートアダプターです。
クランクシャフトサポートアダプターとは一体どんなパーツなのか?
クランクジャーナルというクランクシャフトの軸の部分がありまして、それを支えている部分が元々2点支持ですが、サポートアダプターを取り付ける事で3点支持で軸をサポートしてくれる様になります!
そのおかげでエンジンが高回転で回っていてもクランクシャフトの振れを抑えてくれるという代物です。
特に振動が大きいボアアップしたエンジンにオススメなパーツです!
※私のスーパーカブ110(JA44)のエンジンはボアアップはしていませんが、ハイカムとサブコンで10,000rpm以上回る仕様になっているので少なからずサポートアダプターの効果期待できるのではないかと思い取り付ける事にしました。
ガスケットも付いているので!
取り付け
クランクシャフトサポートアダプターを取り付けていきます!
カムテンショナーの取り外し作業の途中に同時に行えば、この作業自体はそれほど難しくは無いと思います。
では、コイルが沢山付いているL. クランクケースカバーに付いている3本のボルトを取り外します。
ボルトを取り外しました!
ステータスコイルの真ん中を見てみるとクランクシャフトのための穴があります。
クランクシャフトサポートアダプターのパーツ類です。
写真左上のボールベアリングを先ほどの穴に取り付けます。
取り付けると丁度クランクシャフトを受け支える位置に来るようになっています!
ボールベアリングは日本のベアリングメーカー大手のNTN製の物が使われておりました。
これは良く回転しそうです!
こちらはベアリングホールドプレートというパーツで、名前の通りボールベアリングを固定するための物です。
ベアリングホールドプレートを横から見ると1か所厚みが薄い所があり、この部分をステータスコイルの出っ張っている部分に合わせてます。
このように、正しい向きでステータスコイルに取り付けると均等にきちんと収まります!
閉じてしまうとこれは見えないですが、形がカッコいいですね♪
あとはクランクシャフトサポートアダプターに付属していたボルトを使用して固定します。
L. クランクケースカバー側はこれで作業完了です。
取り外していたフライホイールとギアをはめ込んで戻した状態です。
クランクシャフトサポートアダプターに付属していたシャフトナットとスプリングワッシャです。
写真では分かりにくいですが、このスプリングワッシャには少し裏表で反り具合が違っており、取り付け向きがあります。
スプリングワッシャの形が山のてっぺん(中心部が膨らんでいる方)になる方がL. クランクケースカバー側にくるように取り付けます。
スプリングワッシャの向きが間違っていない事を確認して、シャフトナットを40N·mのトルクで取り付けます。
ここまででクランクシャフトサポートアダプターの取り付け自体は完了です!
ガスケットを新品に交換
古いガスケットが割れて残ってしまった部分はヘラなどを使って綺麗に剥がしていきます。
私は、今回の作業の中で2番目に大変だと思ったのがガスケット剥がしではないかと思いました!💦
硬く固着している部分も多数あり、何度か心が折れそうになりながら2時間近くゴリゴリとヘラでガスケット残りを剥がしていました。
私は後に存在を知りましたが、ガスケットリムーバーなる便利なスプレーもあるみたいです。
もっと早く知りたかった!
(ちなみに1番は前編の記事で紹介したフライホイールの取り外しです!)
綺麗に剥がし終えたら、新品のガスケットを取り付けていきます。
フライホイールナットの締め付けトルクは40N·mでした。
その他のノックピン、スターターリダクションギアなどもお忘れなく、本当に大丈夫かチェックしながら元通りに取り付けます。
※私の場合、TAKEGAWA クランクシャフトサポートアダプターも同時に取り付けたので、
写真ではフライホイールナットが純正品とは別の物が付いています。
最後にクランクケースを閉じ、エンジンオイルを忘れずに入れてからエンジンを始動させます。
しばらく様子を見て、特に大きな異音やオイル漏れがなければ作業完了です!
最後に
組み上げてテスト走行をしてみました!
<エンジン音>
もちろんの事ですが吸排気の音は全く変化は有りませんが、メカニカルなガシャガシャというパーツが動いている音は少し静かになったように感じがしました!
あと、純正カムチェーンテンショナーローラーは円盤タイプでしたが、TAKEGAWAのカムチェーンテンショナーローラーがスプロケット形状になっている効果でシュイーン♪と言うタービンが回転している時の様な音をかすかに奏でるようになりました!
音に関しては賛否があるかもしれませんが、私はシュイーン♪の音が結構気に入りました♪
<走行時の振動>
取り付け前後で乗り比べてみました!
街中を流すような中低速域では鈍感な私ではあまり効果を感じる事はできませんでした。
しかし!
交通の流れが非常に速い幹線道路ではいつもシート下からプルプルと感じていた振動をあまり感じなくなりました!
うまく表現できませんが、気持ち的にはエンジンの肉厚の密度が上がって振動を吸収している!?
音が鳴る鈴を片手ではなく、両手でがっしり支えて抑えている様な感じがしました♪
これはクランクシャフトサポートアダプターの効果が効いているのかもしれません!
強化カムテンショナーとクランクシャフトサポートアダプターを取り付ける際は、ケースを分解したりフライホイールを取り外すのが少し大変な場合があるかもしれませんが、お時間があるなら一度試してみるのも良いかもしれません♪✨