エンジンからの異音
ここ最近、私のスーパーカブ110(JA44)のエンジンからガラガラという怪しげな金属がブレて擦れているているようなメカニカルノイズが鳴っている事に気づきました。
最初は気のせいかな~と思っていたのですが、日々追うごとに音が大きくなっているような気がしたのです。
そして、気のせいから確信になり、これは絶対どこかおかしいと思ったのです!
果たしてこの音は一体どこから?
ガンマイクを当てながら音を探ってみると、クランクシャフト付近から鳴っているような感じもしましたが、発生源がいまいち特定する事ができません…。
その後、エンジンに詳しい方にこの音を聞いてもらうと…。
たぶんカムチェーンの音だね!
という助言をいただきました!
この状態ならまだすぐに交換するほどでもないけど、エンジンが完全に温まっていたり、走行中にも気になってきたら流石に対策した方が良いとの事でした。
今回は、走行距離がそこそこ伸びてくると起こってくるカブ系エンジンの異音発生原因の中のひとつ、プッシュロッドの先に付いているゴムを交換する事にしました。
このゴムを交換する事でガラガラ音がかなり改善する事も多いそうなので、期待を膨らませてやってみました!
ガラガラ音ではなく、シリンダーヘッド付近からカチカチ音がする場合はタペット音の可能性が高いです。
タペット音の場合はバルブクリアランス調整(タペット調整)の記事で紹介しております。
カムチェーンテンショナープッシュロッドヘッド
こちらがはホンダ純正パーツ14561-K88-L01のヘッドテンショナープッシュロッド(HEAD TENSIONER PUSH ROD)と言うゴムパーツです。
以前のカムチェーンテンショナーに接触する部分は平面だったそうですが、JA44あたりから山の様な形に改善されたそうです。
大きさは約1cmほどの小さなゴムパーツです。
こんな小さなパーツですが、これ一つ交換する事でガラガラ音がかなり軽減される可能性を秘めているのです!
フライホイールを外したその裏側を開けてみるとこんな構造になっています。
写真のこれ!って書いている所が今回交換するゴムが付いている部分です。
このゴムの部分がカムテンショナーと呼ばれるシーソーの様な部品に接触してカムチェーンの張り具合を調整してくれているのですが、距離を走れば走るほどゴムがすり減ってカムテンショナーを押し上げる力も弱くなり、カムチェーンのテンションも下がってガラガラ、ガチャガチャといった異音の原因の一つとなっているのです。
交換方法
※自己流の方法で作業しておりますので、万が一同じ方法で発生した事故やトラブルに関しましては当方では一切責任は負えませんので、参考にされる方は自己責任でお願いいたします。
作業に少しでも不安を感じられる方はお近くのバイク店、サービスセンターなどを利用されることをお勧めいたします。
交換に必要な工具など
- 8mm六角レンチ
- 外したパーツを置いておく受け皿
- ウエス
- エンジンオイル(ほんの少し)
音の発生源はこのエンジン周辺なので、今回の作業で消えてくれると良いのだけれど…!
エンジン真下に潜り込んでみるとこのような感じになっています。
この写真の丁度中央の付近にカムチェーンプッシュロッドが入っています。
取り外し
初めてオイル交換しようとした時に間違えてプッシュロッドの方を回してしまった方も実は多いいのでは?
私もやらかしましたよ!✨
『やば!なんかこれ違うぞ!』と思ってとても焦りました。
↓エンジンオイルの交換はこちらの記事をご覧ください↓
最低限必要な工具は8mmのロングの六角レンチが一本あればゴムの交換は可能。
エンジンの部品と聞くと難しい感じがしますが、この作業はオイル交換と同じくらい簡単です♪
エンジンオイルが少なからず流れてくるので、地面を汚さないように何か下に敷くのもお忘れなく!
それでは緩めていきます。
固着していたようで少し固めでした。
ボルトを回して外すとスプリングが勢いよく飛び出してくるのでご注意を!
その後、時間差でプッシュロッドが落ちてきました。
エンジンオイルを抜かずに作業始めてしまいましたが、これ位しかオイルは落ちてきませんでした。
プッシュロッドが入っていた所から少なからずオイルがポトポト落ちて来るので、万が一車体を誤って倒してしまった際などにはオイルが流れ出したりとかの可能性があるかもしれませんので、エンジンオイルは抜いてから作業した方が良いかと思います!
問題のゴムパーツ、ヘッドテンショナープッシュロッドは予想通り!
ゴムが少し削れて変形していました。
プッシュロッドのゴムを取り外します。
ウエスでゴムに付着した油分を拭き取って、ウエスで挟み込みながら手でグリグリと強く引っ張ってやれば意外と簡単に取り外すことができます!
もし取れないようならプライヤーなどの工具を使うと簡単に取れるかと思います。
ゴムの減り具合を新品と比較
新品の物と約25,000km使用した物との状態を比較してみました。
上から見てると使用した方はカムテンショナーとの接触で消耗しているのが良く分かります。
やっぱり削れるんですね!
横から見ると使用した方は山の先端が無くなっています。
削れた部分だけカムテンショナー張りがどんどん弱くなるわけですね。
取り付けは逆手順
新しいゴムをプッシュロッドに詰め、あとは逆手順で組み込んでいけばOK!
上からプッシュロッド、スプリング、ボルト
もしここで傷やスプリングの異常などを発見したら、再使用せず新品パーツと交換してください。
スプリングを挟む形でエンジン内にしていきます。
この時、プッシュロッドにオイルを塗る事もお忘れなく!
スプリングに押し戻されないよう慎重にはめ込み、手である程度仮締めしていきます。
最後は締め忘れが無いよう六角レンチでしっかりトルクをかければ完了!
結果
ガラガラ音はバッチリ消えたので、ゴムを交換して大正解でした!
※動画のエンジン音なのですが、私のミスでゴム交換直後の収音を忘れてしまい、同時に進行していた武川のスーパーカムテンショナーとクランクシャフトサポートアダプターも組付けた状態の音なので本来の音と少し異なるかもしれませんのでご注意さい!💦
ゴム部だけ交換した直後の様子を動画に収める事には失敗してしまいましたが、この動画のエンジン音とゴム部だけ交換した時を私の耳で聞く限り、ほぼ同じだと思います!
純正部品以外でもプッシュロッドのゴムが発売されていたり、作業も使用する工具が六角レンチくらいで他に特殊な工具も必要無く、交換もさほど難しくはないの試してみるのも良いかと思います!
遅くとも1時間くらい、慣れるとオイル交換より早くできちゃうかも!?